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執筆者の写真yoko kobayashi

2022.06.12 不思議な現象@西荻窪アケタの店

泉重千代さんが空気や木々や風と阿吽の呼吸でお散歩する「A・U・N」


泉重千代さんを知らない方々、泉重千代とは江戸時代の戦国武将の名ですよ(なんて嘘です)(笑)


6/12この日もA・U・Nを演奏する。

(この曲は私のソロアルバム「BEYOND THE FOREST」にも収めてあるが、

その中ではもちろん重千代さんではなく、私自身が森の中を奥深く進んでいく様を思い描いている。)


いつもはベーシストに重千代さんの足取りを表現してもらうのだけれど(パターン記譜)

この日は、研太さんalto saxと吉野さんcontrabass アルコ奏法で、ユニゾンでメロディをお願いした。足取りは私が担当した。



すると何ということか、途中ホーミーみたいに聞こえてきて、まるで「重千代さんモンゴルへゆく」だ。演奏中、これは一体どういう条件がそろえばこんなことになるんだろう?

不思議な体験だった。

私は演奏中、ずっとモンゴルの大草原の中にいた。


おそらくベーシストが代ってもアルト奏者が代っても同じことは起きない気がしている。

吉野さん・研太さんの個の音色によって生じたことなのではないか、ちょうどある音程の辺りで2人の音がうまい具合に響き合い、アケタの店であり得たことなんじゃないかと思っている。


ユニゾンといってもアルトの一オクターブ下をベースが奏することもあるだろうし、

倍音の共鳴だってあるかもしれない。


そして別の日に同じメンバーで同じ曲を演ったとしても、同じことは起きないかもしれない。室内の湿度が違ったら、無いのかもしれない。


などと昨日のことを思い返す。

初めて聴く音の鳴りは、一生忘れないだろうな。ほんとホーミーみたいだった。



研太氏の曲は難しいけどいい曲ばかり、雪が降ったり雨が降ったり、パーっと陽が射したり、星屑も見えるシーンが脳裏に浮かぶ。

吉野さん提示の曲はユーモアがあって奥深く、そう言えばこの曲も2m超えの男性の足取り・足音がベースになって出来ているユニークな曲だ。

作曲者のDuke Jordanも、きっとお茶目でユニークな人なんだろうなと想像する。



地方からもお運びいただき、本当にありがたい。

ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。


2022.06.12アケタの店演奏曲目

小林洋子pf 津上研太as 吉野弘志cb


1st.stage

  1. A・U・N( Yoko Kobayashi)

  2. Cosmic Valley (Kenta Tsugami)

  3. 夜雪( Kenta Tsugami)

  4. Time Difference (Yoko Kobayashi)

2nd.stage


1. The Deacon (Duke Jordan)

2. 天気雨(Kenta Tsugami)

3. 無銭優雅(Kenta Tsugami)

4. その儚さ(Yoko Kobayashi)


encore : I Thought About You (Jimmy Van Heusen)


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